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今回は“相続の手続きと注意点”について解説いたします。
相続手続きの流れと知っておきたいポイント
身近な方が亡くなると、亡くなった方が残した財産だけでなく、権利と義務も相続人が引き継ぐことになります。
後々相続人の方の損失とならないように、今回は、相続手続きで知っておきたいポイントや注意点についてご説明していきます。
遺産を分ける前に、遺言書があるか確認する
遺言書があれば、その内容に沿った分配を行います。
遺言書を開封するには検認手続きが必要となり、勝手に開けてしまった場合、罰金を支払わなければならないことがあります。
遺言書がない場合、遺産分割協議を行う
遺言書がなければ、遺産分割協議(相続人全員で話し合うこと)で、財産をどのように分けるのかを決めます。
すべての相続人で話し合い、決定した内容を遺産分割協議書としてまとめ、署名と押印を行います。
署名・押印後は、一方的な内容変更は原則不可となります。
遺産分割協議がまとまらなければ遺産分割調停を行う
協議が合意に至らなかった場合、遺産分割調停を行います。
調停委員や裁判官がそれぞれの相続人の主張を聞いて、解決案を提示します。
それでもまとまらなければ裁判手続きの開始となり、それぞれの相続人の法定相続分に従い、遺産分割する決定が下されます。
遺産相続の方法と注意点
遺産相続の対象になるものは、銀行預金、自動車や貴金属類などの動産、家や土地などの不動産、株などの有価証券、借金などです。
死亡保険金、死亡退職金などは対象になりません(ただし、(500万円×法定相続人の数)を超える場合は相続税が発生する)。
また、相続には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3つの方法があります。
相続する遺産のうちの、資産と負債を正確に把握して、相続内容に合った方法を選びましょう。
単純承認…資産が負債より多い場合に選びます。
遺産を1円でも勝手に使うと単純承認したとみなされ、後から負債の方が多いことが判明したとしても、相続放棄できません。
限定承認…資産が負債より多い場合のみ遺産相続できる方法です。
限定承認手続きは、相続を知ったときから3ヶ月以内に行わなければなりません。
相続放棄…資産より負債が多い場合は、相続放棄を選びます。
相続を知ったときから3ヶ月以内に行わなければ、原則として相続放棄ができませんので注意が必要です。
遺産相続で発生する問題はデリケートで、こじれてしまうことも珍しくありません。
ご自身での解決が難しいと思われる場合は、お早めに第三者である専門家を入れ、親族間のトラブルを回避することをおすすめします。