弁護士コラム

【弁護士コラム】自筆証書遺言と公正証書遺言の違い

2026.10.30
【弁護士コラム】自筆証書遺言と公正証書遺言の違い

遺言書を作成しようと考えたとき、

「自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらを選べばよいのか」

と迷う方も多いのではないでしょうか。

どちらも法的に有効な遺言書ですが、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。ここでは、両者の違いについて分かりやすく解説します。

自筆証書遺言とは

自筆証書遺言とは、遺言者が自分で内容を記載して作成する遺言書のことをいいます。

紙とペンがあれば作成できるため、費用がかからず、手軽に作成できる点が大きな特徴です。また、内容を誰にも知られずに作成できるため、プライバシーを重視したい方にも適しています。

ただし、法律で定められた方式を満たしていない場合には無効となる可能性があるため、注意が必要です。

 

公正証書遺言とは

公正証書遺言とは、公証人が関与して作成する遺言書です。

遺言者の意思をもとに公証人が内容を整理し、証人の立会いのもとで作成されるため、形式の不備によって無効になるリスクが低い点が特徴です。

また、原本は公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配もありません。

その反面、作成には費用がかかり、証人の手配など一定の手間が必要となります。

大きな違い①:作成方法と費用

自筆証書遺言は、自分一人で作成できるため費用がかかりません。一方、公正証書遺言は、公証人への手数料や証人への謝礼などが必要となります。

そのため、「手軽に作りたいか」「確実性を重視するか」によって選択が分かれるポイントとなります。

大きな違い②:安全性と確実性

自筆証書遺言は、形式不備や内容の不明確さにより無効となるリスクがあります。また、紛失や改ざんの可能性も否定できません。

一方、公正証書遺言は、公証人が関与するため法的に有効な形式で作成され、原本も安全に保管されます。そのため、確実性という点では公正証書遺言が優れているといえます。

大きな違い③:手続きの手間

自筆証書遺言の場合、亡くなった後に家庭裁判所で「検認」という手続きが必要になります。

これに対し、公正証書遺言は検認が不要であり、遺言書の内容に基づいてスムーズに相続手続きを進めることができます。

相続開始後の手続きの負担という点でも、大きな違いがあります。

 

どちらを選ぶべきか

どちらの遺言書が適しているかは、個々の状況によって異なります。

例えば、財産が比較的シンプルで、まずは手軽に意思を残したい場合には、自筆証書遺言が選択肢となります。

一方で、相続人間でトラブルが予想される場合や、確実に内容を実現したい場合には、公正証書遺言を選ぶことが望ましいといえます。

 

最近の制度の変化にも注意

2020年7月から、自筆証書遺言保管制度が整備され、自筆の遺言書を法務局で安全に保管できる仕組みが導入されています。

この制度を利用することで、紛失や改ざんのリスクを軽減できるとともに、検認が不要になるなどのメリットもあります。ただし、利用には遺言者本人が管轄の法務局に出向く必要があり、手数料は1件3900円となっています。

こうした制度の活用も含めて検討することが大切です。

 

不安がある場合は専門家へ相談を

遺言書の作成は、自分の意思を将来に確実に伝えるための重要な手続きです。

内容に不備があった場合には、せっかく作成した遺言書が無効となる可能性もあるため、慎重に進める必要があります。

不安がある場合には、弁護士などの専門家へ相談することで、自分に合った方法を選択することができます。

まとめ

まとめ

自筆証書遺言と公正証書遺言は、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。手軽さを重視する場合には自筆証書遺言、確実性や安全性を重視する場合には公正証書遺言が適しています。

自分の状況や目的に応じて適切な方法を選び、不安がある場合には専門家へ相談しながら進めることが大切です。

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