弁護士コラム

【弁護士コラム】相続手続きって何から始めればいいの?

相続手続きって何から始めればいいの?

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今回は“相続の手続き”について解説いたします。

相続発生からの手続きの流れ

人生において相続が発生することは何度もあることではなく、いざそのときに何をしなければならないか、戸惑う方が多くいらっしゃいます。
今回は、死亡届の提出からどんな手続きが必要になるのか、順番に見ていくことにしましょう。

①公的年金・健康保険

国民年金は亡くなった日から14日以内、厚生年金は亡くなった日から10日以内に、年金事務所で年金受給停止の手続きを行います。
また、健康保険は、国民健康保険・後期高齢者医療制度の加入者は、亡くなった日から14日以内に市区町村に保険証を返します。
会社の健康保険の加入者の場合は、手続きの方法を勤務先に確認します。

②公共料金などの引き落とし口座の変更

故人の口座は凍結されるため、公共料金など口座の変更が必要です。

③死亡保険金の請求

生命保険に加入していた場合、死亡保険金が発生するため保険会社へ連絡をします。

④相続人の確定と戸籍謄本の取得

相続手続きにおいて、相続人を確定するために次の戸籍謄本を揃えます。
・亡くなった方の出生から死亡まで、連続した戸籍
・すべての相続人の現在の戸籍
・子供がいない場合、亡くなった方の両親の出生から死亡までの戸籍

⑤遺言書があるかどうかを確認

遺言書で代表的なものは「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」で、種類により手続きが変わります。

⑥相続財産を調査する

遺産分割協議に影響が出ないよう、通帳、金融機関や保険会社からの郵便物、固定資産税評価証明書などから故人の財産を明確にし、把握しておきましょう。

⑦相続放棄・限定承認・単純承認を選択

相続放棄、限定承認を行う場合、相続開始を知った日から3か月以内に手続きを行います。

⑧被相続人の所得税の申告及び納付(準確定申告)

不動産所得や事業所得があれば、相続開始を知った日から4か月以内に準確定申告手続きを行います。

⑨遺言書がない場合は、遺産分割協議を実施

すべての相続人で財産の分け方を話し合います。

⑩分割協議の際の特別代理人などを選任

未成年者、その親ともに相続人となる場合には、未成年者に特別代理人を選任します。

⑪遺言書がない場合は、遺産分割協議書を作成

遺産分割協議の話し合いの結果を「遺産分割協議書」という書類にします。
不動産の相続登記や相続税の申告手続きには、すべての相続人の署名、押印がなされた遺産分割協議書が必要となります。

⑫預貯金や有価証券などの名義変更・解約

遺産分割協議成立後、預貯金や有価証券などの名義変更や解約をします。
金融機関ごとにある手続き書類に、すべての相続人が署名、押印する必要があります。

⑬不動産の相続登記

相続した不動産の所在地を管轄している法務局で、相続登記を行います。

⑭各種権利などの名義変更

自宅の火災保険などの名義を変更します。

⑮相続税申告書を作成し、相続税の申告と納付を行う

相続した財産が一定の額を超える場合、相続税の申告書を作成し、納付手続きを行います。
手続きは、相続開始を知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。

手続きに不安があるなら専門家へご相談を

ここまで順に見てきたように、死亡届の提出から相続に関する手続きにはさまざまあり、役所や金融機関、保険会社、すべての相続人などとのやりとりが多く発生します。
相続人の方全員が近くにお住まいではなかったり、お仕事が忙しい方、高齢である方などには、期間内に手続きを完了させるにはたいへんな労力がかかります。
相続でご心配がある方は、手続きに詳しい専門家に、早めにご相談されることをおすすめします。