弁護士コラム

【弁護士コラム】相続税と申告期限|期限を過ぎるとどうなる?延長はできないの?

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今回は“相続税と申告期限”について解説いたします。

相続税の申告・納付期限は?

相続税の申告・納付期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。

10ヶ月と聞くと余裕があるように思われるかも知れませんが、申告のためにはさまざまな書類を集め、財産の調査を行い、相続人の間で遺産分割協議を行わねばならないので、申告及び納付を期限までに終えるのは容易いことではありません。

申告期限を過ぎたらどうなるのでしょうか?

相続税の申告期限を過ぎると、次のようなペナルティがあります。

・延滞税

期限後に納税した場合、追加で納付した相続税に対して課税される。

税率は年度によって変動する。

・過少申告加算税

申告書の税額が、実際より少なかった場合に課税される。

税率は、追加で納付した相続税の10%となる。

・無申告加算税

正当な理由なく期限内に申告しなかった場合に課税される。

自主的に申告を行った場合は納付税額の5%、税務署に指摘され申告を行った場合は納付税額の15%が課税される。

・重加算税

財産の仮装隠蔽など内容が悪質である場合に課税される。

申告書を提出していた場合は追加で納付した税額の35%、申告書を提出していない場合は追加で納付した税額の45%が課税される。

また、申告期限を過ぎると「小規模宅地等の特例」や「農地の納税猶予」などの特例が使えなくなるため注意が必要です。

相続税の申告期限は延長できるのでしょうか?

相続税の申告期限は原則として延長できませんが、遺留分の減殺請求があった場合や相続人である胎児が生まれた場合、そのほか自然災害等を原因として延長が認められるケースもあります。

また、どうしても期限に間に合わない場合は次のような対処法があります。

・申告期限内に、多めの税額になるよう概算で申告・納付を行い、財産が確定した後に還付請求(更正の請求)をして、多く納税した分の還付を受ける。

・税務署に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して期限内に申告を行い、遺産分割が確定した後に還付請求(更正の請求)または追加納付(修正申告)を行って相続税額を調整する。

相続税の申告をご自身で行う場合、お仕事や家事などと並行して手続きをしなければならず、なかなか思うように進まないことも珍しくありません。

申告について不安がある方は、当事務所にお気軽にご相談ください。